Run Farther

起業を目指すサラリーマンが綴る勉強・読書・事業・サーフィン・釣りの記録

新版 社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア経営のすべて

こんにちは.じょいさんです.

 

今回ご紹介するのは,本記事のタイトルの書籍です.起業する段取りを考えている中でインプットを増やそうと思っていたところ,本屋さんで見つけてジャケ買い?(意味が間違っていたらすみません.題名だけを見て買うことの意で使用しました(笑))してしまいました.

私もサーフィン,釣りと海に関するアクティビティが大好きなので,感じるところがあってということですね.

 

 

さて,本書はどのような形態の本かというと,著者でありパタゴニアの創業者でもあるイヴォン・シュイナード氏の自叙伝ということになります.パタゴニアを創業する前の少年時代の出来事からパタゴニアの現状に至るまでの取り組みを,著者のその時々の考えを交えながら紹介してくれます.また,著者だけでなく,著者の経営を支えてきた関係者のストーリーも随所にコラム形式で差し込まれており,多角的な視点から出来事を振り返っているところが特徴的な本です.

 

本書は下記のような2部構成になっています.

 

パタゴニアという会社ができるまでの歴史

パタゴニアを経営していくにあたっての理念やそれをもとに行ってきた事業の紹介

 

詳しくは書籍を手にとっていただきたいのですが,私が会社の理念について感銘を受けたところを抜粋し,感じたことを少しだけ書いていきたいと思います.

 

著者は幼少期から登山が大好きでした.その中で市販されている道具を改良するために道具の自作を始めたことがきっかけで,それを登山仲間に少しずつ譲るようになって行きます.ここから立ち上げたのが,登山道具を専門に製作する「シュイナード・イクイップメント」というパタゴニアの前身の会社です.にっちもさっちもいかない時期を経験しながらも,著者は仲間に助けられながら様々な試みをしていき,会社を存続させていくために奮闘します.

 

そんな著者は会社の経営することでお金持ちになることを目的にしているのでもなければ,経済の発展に寄与したいと考えているわけでもなく,一番大切にしていることは,自分たちのビジネスを通じて地球環境の保全を目指すことでした.

 

しかし自分たちがビジネスを続ける限り,製品を作り続ける限り,地球の限られた資源を使用することは免れません.ましてや事業が軌道に乗り,拡大していくならなおさらです.

 

そこで著者は服の素材をオーガニックコットンに変える,カタログに再生紙を使用する,売上の一部を環境問題に取り組む団体に寄付するといった,今では多くの会社が取り入れている方法を当時いち早く取り入れ,環境への負担をできるだけ少なくするような政策を数々打ち出していきます.そのようにして会社として長く持続するということだけでなく,地球と共存していくというテーマにも挑戦してきた物語です.

 

私がこの本の中で印象に残っているのは以下のような考えです.(引用も多少含まれていますが,私の主観も含まれています)

 

・自分たちがユーザーとして満足できて,作っていることを誇れる製品を作っていること

・会社として長く生き残るためには,身の丈を超えるものに手をだしてはいけないこと

パタゴニアブランディングは,印象がつくように刺激的なCMを打つことではない.自分たちがどのような人間なのかを人々に語ることである(Webでもカタログでも同じ)

・会社として,現状に安住すれば,滅びの道しか残されていないこと.価値観はそのままに,新たな発想,手法はどんどん取り入れていかなければいけないこと.

・自分たちの会社としての最終損益は,事業を通じてどれだけ善い行いをできたかが最終損益だとかんがえていること

・環境によい簡素な暮らしをしなければならなくなったりそうしようと決めたりしても,人生がまずしくなることはない.むしろいろいろな面でとても豊かになること

 

私の記事では抜粋しているだけで,ありきたりな言葉に思われるかもしれませんが,これら一つ一つの信念ともいえる考えを,実直に行動として昇華してきた著者だからこそ,今全世界で愛されるパタゴニアを作っていくことができたのだと思います.

 

特に事業を通じて善い行いをするという点は,著者が自分の人生そのものとも言えるパタゴニアを運営していく上で,芯となる部分であり,社員にも共通観念として根付いているものだと思います.私も会社を興すときには,自分の人生をかけて貢献したいことと重ね合わせた活動をしたいものです.そしてそれが是非,人間の,地球のためになるようなものにしたいという思いになりました.

ただ,せっかく自分の会社を作るわけですから,使命感のような迫られる感覚と同様に,毎日ワクワクするような気持ちでいられる会社にしたいですよね.本書でも,同じようなことが書かれていましたが(笑)

 

ものや情報があふれ,生き馬の目を抜くような現代.自分の信念を貫くには誘惑が多すぎますが,そのような中でも強く生きていく一助になってくれるのが本書だと思います.気になった方は,是非手にとってみていただければと思います.

 

では今回はこのへんで.

 

 

 

新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて

新版 社員をサーフィンに行かせよう―――パタゴニア経営のすべて